今回は久しぶりにあの子が登場!
…覚えててくれているのかしら…。
バンギラスとカイリューが話している。
カイ「おえっ…。おかしいなぁ、出てこないよ。もしかしたら居心地がよくて出たくないのかも」
バン「…嘘つくんじゃねぇ。お前のことだ、気絶させたんだろ」
カイ「よくわかったね。ていうか戻すのはあんまり好きじゃないんだよ。
だってもう液体かもしれないし、さっき食べた木の実も出てきちゃうしさぁ。」
バン「喋ってねぇでとっとと吐き出せ」
ごすっ。
げろっ。
カイ「うええ…最低…!」
どろっとした液体やら固体が唾液の糸を引いてカイリューの口とつながっている。
バン「だから支給される袋なりカゴなり使って持って帰ればいいじゃねぇか」
カイ「そうしようとしたけどさ…結構おいしそうだったんだもん!」
バン「そうだな。大変だな。その戻した奴はちゃんと洗っておけよ。もちろん床も掃除してな。
それまで仮眠してるから終わったら起こせよ。いいな?」
カイ「ばーかばーか!よもぎ怪獣のバーカ!」
バケツなりモップなりが飛んできて、カイリューにぶつかる。
カイ「いったいなぁ…やればいいんでしょ」
数十分後カイリューは、床を丁寧に拭き、胃の内容物だった茶色い毛のものとオレンジの石を丁寧に洗った。
カイ「バン君、おわったよー」
バン「ん…そうか。お前意外と掃除はマトモにできるんだな」
カイ「うるさいよ」
バン君。いや、バンギラスはすっと起きて、茶色い毛のものとオレンジの石のある部屋に入ってきた。
「…うーん…」
吐き出された茶色い毛のものは小さくうめいた。生き物のようだ。
バン「おい、とっとと起きろ。お前にあわせている暇はないんだ」
「…ここは…?」
カイ「あ、おはよ~。ところで君どうしてイーブイに戻ってんの?」
ブイ「げほっげほっ…イーブイ…?僕は人間なんだけど…」
まだ少し寝ぼけているようだ。
べしっ。
ブイ「いっ…。何するの…」
※
数分たち、完全に目覚めたようだ。
ブイ「うわああああ!カイリューだあああああああ!!」
バン「…カイリュー、こいつに何かしたのか?」
カイ「ん~…なんのことやら」
バン「じゃあ俺は飯狩ってくるからな。それまでにそいつ落ち着かせておけよ」
カイ「えー…そっちのが絶対に楽しそうじゃんよー…ボクもつれてってよー…」
バン「ふざけんな。じゃああとでな」
バンギラス、錯乱しているイーブイとがっかりした様子のカイリューを残して出て行く。
ブイ「うわあああ!うわあああ!」
カイ「うるさいよ…もう…眠っておいてー…。はい、あーん」
ブイ「うぐーっ…んー…」
イーブイは【すいみんのたね】を食べさせられて眠ってしまった。
その後手足を縛られて適当なひっかかりに結ばれてしまう。
※
バンギラスが戻ってきたようだ。
カイ「今日の収穫は?」
バン「小型ポケモンがほとんどだな。あぁ、中型のもいるが」
カイ「ちぇー…ケンタロスとかでっかい奴呑み込むのが楽しいのにー…」
バン「じゃあ俺一人で喰う」
カイ「それはもっとやだよー」
イーブイが【ねむり】状態から回復する。
その目に映った物は大声で喚きながら助けを請う自分と同じくらいのサイズの小型ポケモンたちだった。
小型ポケモンたちの抵抗もむなしく、口に放り込まれては呑まれていく。
悲鳴が響いて消えて、そしてまた別の悲鳴が響く地獄絵図だ。
カイ「中で動いてるよー…ちっちゃいのはよく動くから気持ちいいねー」
バン「そうだな…」
満足そうな笑顔を浮かべて座っている2体。
ブイ「ひっ…!」
バン「助けなんかこねーから騒ぐな」
ブイ「…え…ってあれ?ヨーちゃん?ヨーちゃんじゃない?」
カイ「ヨーちゃん?なにそれ?」
ブイ「僕のパートナーだったポケモンなんだけど…」
バン「…そのあだ名を知ってるってことは…ろーたんか?」
カイ「え、ちょっと、僕を放置しないでー…」
少し経って。
カイ「…で、二人はどういう関係なの?」
バン「ろーたんは俺がバンギラスに進化する直前まで俺と一緒にいたんだ」
ブイ「うん。僕が人間だったころの名前はロランなんでよ。でも今はイーブイだからブイって呼んでくださいね」
カイ「へー。ボクはお腹いっぱいだから昼寝するよー」
※
バン「俺がロランを案内しよう!寝床もいるしな!」
妙にやる気満々のバンギラスが施設(アジト)を案内することになったようだ。
バン「俺たちは探検隊のベルスィ。結構評判はいいんだぞ。それでな…」
嬉しそうにバンギラスはロラン…ブイとはぐれた後の事を話す。
ひさしぶりにパートナーに会えたのがとても嬉しいのだろう。
バン「あいつがボーマンダのボマ。見た目よりずっとおとなしくていい奴で…。人間の女に育てられたんだよ。それにその女は俺たちポケモンの言葉がわかるし…。あ、おいボマ!」
ボマ「…んお?」
バン「姉さんは最近どうしてる?」
ボマ「姉さん…?あぁ。オレと一緒にいるよ」
バン「部屋で休んでるのか?」
ボマ「いや、ずっと一緒なんだ…」
ボーマンダの表情は、好物を喰った時のそれだった。
これの真実についてはまた別の話。
バン「空いてる部屋はここだ。鍵はないが固体認証装置ってのがついてるから心配しなくていい。」
ブイ「ありがとう!」
※
イーブイの出現によって物語は急速に進みました。
これの続きはまたいずれ語られるでしょう。
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